幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
「じゃあ、リーゼ、何か手伝うことないか聞いてみる」
「馬を繋ぐ間、ちょっと待て」
「街中なら、吾輩がいれば問題ないだろ。サージはあとからくればいい」
「わかった。シド、まかせた」

 サージと別れ、シドを連れて歩き始める。
 シドを連れ、兎の耳が飛び出たリュックサックを背負っているリーゼの姿は、もうデリモではおなじみのものだ。リーゼがデリモを歩いていると、皆がリーゼに声をかけてくれる。

「あ、そこ、手を貸そうか?」
「領主様、よろしいんですか?」
「うん。壁は固い方が安心だろうから――かたくなぁれ!」

 修理中の家があったので、そこで硬化スキルを発動。家の壁が硬度を増す。

「あ、そっちも手を貸そうか?」
「ありがとうございます、領主様」

 広場に張られていたテントにも、硬化スキルを発揮。これで、崩れてくることはない。
 こうして町の人達が、リーゼを頼ってくれるようになったのが嬉しかった。

 領主の屋敷では、基本的には全員が同じ食堂で一緒に食事をする。
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