幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 リリンダは、勝利を確信しているようだったけれど、リーゼは不安に押しつぶされそうになっていた。

(大丈夫かな……公爵は、この地に援軍を送ってくれるのかな……)

 もともとこの地は、公爵領の中でもさほど重要視されている場所ではない。
 リーゼの名前だけではなく、町長や、近隣の村の住民達からも援軍の嘆願書を送ったけれど、どこまで効果を発揮するかはなはだ疑問だ。

(でも、ここに残るって決めたのは私だ。私が残るって決めたから、皆も残ってる)

 リーゼは左右に視線を走らせる。防壁にずらりと取り付けた投石器。子供達がムラトの指示で作った弾も背後に山のようにつまれている。

「――大丈夫ですよ、リーゼお嬢様。私達にお任せください」

 アルダリオンは、執事の服装のまま、防壁上に立っている。彼の姿は立っているだけでも眩(まばゆ)かった。

「おう、ずいぶん気が抜けた様子だな」
「領主が子供だってんであなどってるんだろ。ムラトの作戦がうまくはまるといいんだがな」
「なぁに、シドやオルシウス達もいるんだ。問題はなかろうて。弾には仕掛けもしてあるしな。当たったら痛いだけじゃすまないぜぇ」

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