幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 リーゼの側で話し込んでいるサージとムラトは、にやにやとなんだかとっても楽しそうだ。悪い顔をするのは、アルダリオンだけじゃなかった。
 防御壁の上から眺めていると、銀に輝く眩い鎧をまとった偉そうな人物が、デリモに近寄ってきた。彼以外は動かず、こちらをにらみつけているようだ。

「抵抗するつもりか? 街を捨てて投降すれば、今なら許してやるぞ」

 進んできたヴハ王国の騎士は、馬に乗ったまま横柄な声を上げる。リーゼが反論しようとしたけれど、先に声を発したのはサージだった。

「領主様は、この地を大切に思ってるんだ。お前らこそさっさと帰れ。このままだと、恐ろしい目にあわされるぞ」

 にやにやとしているサージの表情は、下からは見えないはずだ。だが、その声音だけで馬鹿にされていると知ったのだろう。
 鎧の男の表情は、兜に隠れて見えていなかったけれど、彼の顔が怒りで真っ赤に染まるのが見えたような気がした。

「あとから後悔しても遅いんだからな――!」

 その声と同時に、彼は馬の向きを変え、仲間達の方へと駆け戻っていく。
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