幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
「いいか。敵陣に駆け込むぞ。半分は、人間達のかく乱。もう半分は、食料を狙え。箱は吾輩が壊す」
シドの声に、ワオンと吠える犬達の声が重なった。
配下の犬達を引き連れ、敵陣に駆け込んだ時には、そこは大騒ぎだった。吸血鬼達は、ひとりで十人以上の人間を相手にしている。
「シド、こっちは大丈夫だから、食料の方を頼むよ」
右手と左手でひとりずつずるずると完全武装の兵士を引きずっているオルシウスは、顎で食料が保管されている場所を示す。
「任せろ。作戦変更だ。全員で、食料保管庫に向かうぞ」
食料保管庫からは、いい香りが漂ってくる。普段自分達で狩ってきた獲物を食べている犬達にとってはご馳走だ。
「――お前ら、腹いっぱい食え! 食べきらない分は持ち帰って、子供達に分けてやれ」
氷魔法でひんやりとしているテントの中には、肉や野菜の入った木箱が大量に積み上げられている。
シドは、肉が入った箱ばかり選んで壊した。中に入っている肉に飛びかかった犬達は、一斉にその場で食らい始めた。
その様子を見ながら、シドはさらに箱を壊して回る。新たな肉の登場に、また犬達が群がる。
シドの声に、ワオンと吠える犬達の声が重なった。
配下の犬達を引き連れ、敵陣に駆け込んだ時には、そこは大騒ぎだった。吸血鬼達は、ひとりで十人以上の人間を相手にしている。
「シド、こっちは大丈夫だから、食料の方を頼むよ」
右手と左手でひとりずつずるずると完全武装の兵士を引きずっているオルシウスは、顎で食料が保管されている場所を示す。
「任せろ。作戦変更だ。全員で、食料保管庫に向かうぞ」
食料保管庫からは、いい香りが漂ってくる。普段自分達で狩ってきた獲物を食べている犬達にとってはご馳走だ。
「――お前ら、腹いっぱい食え! 食べきらない分は持ち帰って、子供達に分けてやれ」
氷魔法でひんやりとしているテントの中には、肉や野菜の入った木箱が大量に積み上げられている。
シドは、肉が入った箱ばかり選んで壊した。中に入っている肉に飛びかかった犬達は、一斉にその場で食らい始めた。
その様子を見ながら、シドはさらに箱を壊して回る。新たな肉の登場に、また犬達が群がる。