幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 残されたリーゼロッテは、不安を隠すことができなかった。
 今までの父とはあまりにも違う。たしかに、フランチェスカに対する父親の態度はちょっと心配していたけれど、こうなるのは予想もしていなかった。

「おい、そこの娘を連れてこい」

 フランチェスカを屋敷の中に残して戻って来た父は、リーゼロッテの名を呼ぶこともやめていた。見るのも汚らわしいと言いたげに視線をそらし、連れてくるよう使用人に命じる。

「……大丈夫、リーゼ、自分で歩けるよ」

 使用人が抱えあげようとしたのを、リーゼロッテは首を横に振って断った。いつもと違った父の様子に不安を覚えた様子を見せながらも、使用人はリーゼロッテの手を引き、両親の後について歩き始める。
 歩いている間も、リーゼロッテの目の前で両親は激しく言い争っていた。

「――あなた! リーゼロッテをどうするつもりなのです?」
「これから考える! とりあえず、これ以上人目につくのはまずい。とりあえず、物置に放り込んでおけ」

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