幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 魔族が悲鳴を上げ、サージに向かって盾を持った腕を叩きつける。サージは勢いよく突き飛ばされたけれど、次の瞬間には立ち上がっていた。さらに剣をふるい、盾を持つ腕が一本切り飛ばされた。

「ほら、団長は強い」

 リリンダの声音は、どこか得意げである。

「――なんだ、お前達。おかしいだろう……おかしい……」

 腕を二本失った魔族は、焦ったようだった。忙しく左右に視線を走らせたかと思ったら、窓に向かって逃走しようとする。

「させるかよ!」

 ムラトがテーブルごと突っ込んできて、魔族を弾き飛ばした。壁に叩きつけられ、再びもうもうと煙が立ち込める。その中で、もがく魔族は、窓からの逃走を諦めたようだった。

「リーゼ嬢ちゃん、魔族を閉じ込めろ!」
「わかった!」

 サージの言葉に従い、リーゼは再びバリアを張る。今度は魔族を囲うように。

「――これで終わりだ!」

 リーゼのスキルによって、"硬化"された剣が魔族の胸を貫く。

「……聖女」

 国王が、まっさきに玉座を下り、リーゼの前で頭を垂れる。それに従い、皆がリーゼの前で頭を下げた。こんなことは望んでいないのに。

「……嘘だ」

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