幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 サージは、襲撃の怪我のことなどまったく感じさせず、今日は久しぶりにビールを飲むと、ジョッキを何杯も重ねていた。それでもまったく酔った様子を見せないのは、体力があるのだろうか。

(傷口、痛くないのかな……?)

 ちゅーっとストローでオレンジジュースをすすりながらリーゼは首をかしげる。
 傷口を塞いだけれど、それは出血を止めただけ。回復魔術とは違って、怪我そのものを治したわけじゃない。

「ねえ、サージ。痛くない?」

 リーゼの問いに、サージはきょとんとした顔になった。それから、ぱっと満面の笑みを浮かべる。

「おお、痛くないぞ。リーゼのスキルは、なかなかのものだな」
「……そう? それなら、いいんだけど」

 明日には、サージ達ともお別れだ。シドがいてくれても、二人の生活はきっと静かすぎて寂しくなる。

「そうそう、俺達もうちょっとここに残ることにするわ。領主の館があんな調子じゃ、まともな使用人なんて期待できないだろ」
「いいの?」

 しんみりとしていた空気を破ったサージの言葉は嬉しかったけれど、リーゼにはベイティス傭兵団を雇っておくだけの余裕はない。

「リーゼ、お金持ってないよ?」
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