幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
「お前なぁ……お前、俺の命の恩人だって忘れてないか? 恩人に金銭は要求できねぇよ……コルネリア様から預かっている金貨だって、まだだいぶ残っているしな」

 出立の時母がサージに渡した袋には、やはり金貨がぎっしりつまっていたようだ。
 リーゼのスキルが期待と違っていたという理由で、公爵には見捨てられてしまったけれど、母はまだリーゼを見捨てていない。

「コルネリア様に、手紙を書いておくから安心するんだな」
「……うん」

 公爵家から追放されたリーゼは、直接母に手紙を書くことはできない。サージがリーゼの近況を伝えてくれることを期待しておこう。
 その夜は、ぐっすりと眠り、翌朝再び領主の屋敷を訪れたリーゼは驚愕した。

(……うわぁ)

 昨日、暗い中ではまったく気が付かなかったが、屋敷はボロボロだった。新しい領主を迎える気は皆無のようだ。

「どういうことだ、これは。とりあえず、町長と話をして、話はそれからだな。お前達、町長の屋敷に行くからここで待ってろ」

 付き添ってきた傭兵団のメンバーは屋敷の前に残し、サージとリーゼ、それに付き添いのリリンダだけ、町長に面会することになる。シドもちゃっかりついてきた。

(……こっちのお屋敷の方が領主の屋敷より断然立派じゃないの)

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