幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 町長の屋敷を見て、リーゼは嘆息した。
 大きさだけで言えば、領主の屋敷の方がはるかに大きい。
 だが、町長の屋敷は窓にきちんとカーテンがかけられているし、庭には美しい花が咲いている。雑草まみれだった領主の館とは大きな違いだ。

「――町長に会わせろ。今すぐ、だ。新領主のリーゼ様が到着なさったんだぞ。さっさと挨拶くらいしろ」

 出てきた使用人はサージのすごみの聞いた声に飛び上がり、ばたばたと奥に駆け込んだかと思ったら、すぐに中へと案内してくれた。
 リーゼ達が通されたのは、使い込まれた年代物の家具が並ぶ立派な部屋だった。
 入り口を入って正面に置かれている、威圧感のあるデスクが印象的だ。
 その向こう側に座っていた男性は、リーゼ達が入ってくるのを見て、初めて立ち上がった。

「町長、どういうことだ? 領主の屋敷に、まったく手が入っていないんだが」
「五歳の子供を、領主として認められるはずないだろう。帰れ」
「リーゼ、公爵の命令で来てるんだけど。公爵に逆らうの?」

 最初から、サージと町長の間には、ばちばちと火花が散っている。
 余計なことと思わず、思わずリーゼは口を挟んだ。

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