幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
「それにしても、朝から回って、どこもまともに話を聞こうとしないんじゃなぁ……何か裏があるんじゃないかと邪推してしまうな」

 五つ目の村を出たところでため息をつくサージは、困り顔だ。彼は、リーゼと行動を共にすると決めたので、リーゼが領主として認められないと困るのだろう。

「サージ、新しいお仕事があるならそっちに行ってもいいんだよ? リーゼに気を遣うことはないんだから」
「リーゼ嬢ちゃん、乗りかかった舟から飛び降りるわけないだろ。それに、俺はお前が一人前になるまでとどまるって決めたんだからな」

 リーゼの言葉に、サージはちょっとばかりむくれた顔になってしまった。

(でも、私が一人前になるまでって十年くらいかかるよねぇ……そうしたら、傭兵として働くのは……難しい、よねぇ……)

 あと十年。サージの正確な年は知らないけれど、あと十年もしたら三十代後半、もしくは四十代に突入するだろう。
 もちろんそうなる前に、リーゼが領主として一人前になるというのが一番いいのだろうが。

(それだけじゃダメ、なんだよね)

 彼らの生活まで、リーゼがきちんと守れるようにならなければ。領主としてきちんと認められて、税金を払ってもらって、それから――。
 と、ここまで考えてため息が出た。
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