死神は花を狂おしい程愛してる
「んーー!
どうすっかな…」
朝日が昇って、カーテンからもれる朝日が蒼士を照らした。
それがあまりにも綺麗で、洋次は思わず言った。
「蒼士って、ほんと…綺麗だね」
「は?
キモい!洋次」
「蒼士は俺のご主人様だから。
蒼士の為ならなんでもするよ?ほんとになんでも」
「あぁ…
洋次が俺を怒らせなければ、ずっと傍に置いてやるよ」
「フフ…花楓様の次に(笑)?」
「あぁ…当たり前だ」
「あーこれ。避妊薬。ほんとにいいの?」
「いいよ。妊娠なんてあり得ねぇ……俺は花楓と二人がいい…!俺達二人に、その他の人間はいらない。
例えそれが、二人の子どもでも……」
「花楓様にはどう説明すんの?」
「花楓には言うなよ!
屋敷の連中に言って、毎日なんとかして飲ませろ!」
「まぁ…そうだよね?
じゃあ、羽山に頼んで飲み物かなんかに毎日入れさせるよ」
「あぁ、頼む」
蒼士がソファーの背もたれにもたれかかり、伸びをする。
「んーー!後は、古澤だな。
確か、IT会社だったよな?」
「うん、かなり知識はあるはずだよ」
「じゃあ…使えるな!
今日、連れてこいよ。事務所に」
「わかった」

そして、花楓が起きるのを横でまたひたすら見つめ、花楓が起きてから朝食をとる。
食後に紅茶を出す、羽山。
「羽山さん、ありがとうございます」
最近は少しぬるめに淹れている、紅茶。
息を吹きかけることなく、コクッと口に入れた花楓。
この紅茶には、避妊薬が入っている。
思わずジッと見つめてしまう、羽山や他の使用人。

「羽山さん?他の皆さんも、どうしました?」
「あ、いえ…」
蒼士と洋次以外は、かなりの罪悪感を抱えていた。
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