死神は花を狂おしい程愛してる
「はい、とにかく失礼な方で見ていられません!
なんとか早くご帰宅できないでしょうか?」
『わかった、蒼士に話しとく』
少し羽山が席を外し、洋次に電話をしていた。

羽山にとって花楓は、ご主人様であり友人のような存在になっていた。
なので、時々一緒にテーブルについてお茶をしながら、たわいもない話をしたりする仲になっていた。
ほんとは花楓と羽山が一緒のテーブルにつくなど、許されない。
【もし蒼士さんにバレたら、私に無理強いされたって言ってくださいね!
羽山さんがいなくなったら、ここで私やっていけるか……】
花楓にとっても、羽山は心の支えになっていた。

再度、羽山が部屋に戻ると、
「紅茶のおかわりいいかしら?」
「は?」
「紅茶!!あなた、メイドでしょ?
私、お客様よ!」
「なっ…!私は“花楓様の”メイドです!」
「あ…羽山さん、お願いできますか?」
「花楓様がおっしゃるなら……」
「ありがと。
ねぇ…他の部屋も見せてよ、花楓」
「え?」
「は?」
花楓と羽山がびっくりして、道子を見る。

「ごめんね、蒼士さんにここ以外は通すなって言われてて…」
「いいじゃん!友達でしょ?」
「申し訳ありませんが、ご遠慮ください!
それに蒼士様に叱られるのは、古澤様ですよ?」
「は?」
「あなたは、蒼士様の恐ろしさがわかってない。
とにかく、ここは退いてください」

そして、蒼士が帰ってきた。
玄関まで迎えに行く、花楓。
「ただいま、花楓」
「………」
「花楓?どうしたの?」
無意識に、蒼士にしがみついていた。
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