死神は花を狂おしい程愛してる
「大丈夫。俺は花楓しかいらない。
その気持ちは一生変わらないよ!」
「じゃあ、どうして?」
「まだ内緒。
でも、すぐわかるよ!」
ニコッと微笑んだ、蒼士だった。

ぴったりくっついた蒼士と花楓と、向かいに道子が座っている、テーブル。
蒼士はいつものように、食べずにジッと花楓を見つめている。
「蒼士さん、食べないの?」
「いつものことじゃん!もう少し花楓の食べてる姿見てたい」
「……恥ずかしいよ…道子もいるのに…」
「フフ…可愛い~花楓」
頬杖をついた蒼士が、片手で花楓の口唇をなぞった。

「キス…したいな…」
「え?だ、ダメだよ…!」
「いつものことじゃん。しよ?」
蒼士の顔が近づいてくる。
「やだ…」

「あの!!」
「え?」
蒼士の口唇と花楓の口唇がくっつく寸前に、道子の声が響いた。
「せっかくですから、話しましょうよ!」
「なんで?」
「は?」
「俺は、花楓としか話さない。
花楓にしか興味ない。
花楓のことしか見ない。
花楓しか触れない。
花楓しか触れさせない」
「だったら、なんで夕食に誘ったんですか?」
「見せつけたいと思ったから」
「え?」
「俺が誰をどれ程愛してるのかを、言葉じゃなくて態度で見せつけたいと思ったから。
お前みたいな傲慢なタイプは、態度で見せるのが一番効くんだよな!
それとさ、花楓はお前ごときが普通に話していい女じゃないんだぞ。
東園の妻だからな。
一緒のテーブルにつけていることも、例外中の例外。
ほんとなら、あり得ない。
これからは花楓に対して敬語を使え。
花楓呼びも禁止。次からは花楓“様”と呼べ。
いいか?俺の言ってる意味わかるよな?
守れなければ、次は容赦しねぇから」
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