志岐さんと夏目くん
また夏目くんの顔が近づくけれど、体を仰け反らせて回避する。
「うわーそんなに全力で拒否するの? すげーショックなんですけど」
「だ、だって……!!」
「顔真っ赤。 カラオケん時は随分と大胆だったけど、今は恥ずかしいんだ?」
「あ、あの時と今は違うからっ!! ていうか夏目くん、ほんっと意地悪っ……!!」
「アハハ、志岐さんの反応が可愛いから いじめたくなっちゃうんだよ」
「いじめ、反対ぃ……」
なんとか逃げようとするけれど、男子の力に勝てるはずがなく……
「「 わぁっ……!? 」」
……そのまま私たちは、一緒に後ろに倒れ込んでしまった。
「いったぁ……」
「イテテ。 志岐さん大丈夫?」
「……なんとか大丈夫。 夏目くんは?」
「俺も平気。 まぁ制服は汚れまくってるけどね」
「わ、ほんとだ……」
塵だか埃だかわからないものが、お互いのブレザーについて白く汚れている。
多分、髪の毛もグチャグチャ……。