誰を?何を?見ているの?

☆☆哲


顔を合わせの時に
佐久間家の方々に挨拶をした。

総帥から
佐久間総帥、総帥の側近である黒木さん
彩葉さんのご両親の紹介をされた。

「風間、哲と申します。
先日は、弟・薫が
失礼な態度を取り申し訳ありません
でした。
そんな弟を再度受け入れて
頂きまして本当にありがとうございます。
どうぞ、弟・薫を宜しく
お願い致します。」
と、頭を下げた。

彩葉さんのご両親は、
「話を聞いた時は、驚いたけど
彩葉が薫君を受け入れる
と、言うなら
私達夫婦は、かまわないよ。
ただ、彩葉を傷つけるような事が
あれば、こちらも逸れそうとな
事をさせていただきます。」
と、言われて。
「はい。頭に刻んでおきます。」
と、頭を再び下げた。

二人の総帥は、俺達の話を
静かに聞いていた。

そこへ
「お着きになりました。」
と、連絡が来て
薫と彩葉さんが入ってきた。

うわっ、すごい美人だ。
その辺りのモデルでは敗北だわ。

俺にもきちんと挨拶をしてくれた。
美人だが、サバサバしていて
気持ちの良い方のようだ。


あの日から10日が過ぎた。

薫のいない家には
寂しさがあった。

永倉のご両親から
「ご飯を食べにおいで。」
とか、声をかけてもらい
何度か伺った。
今、天音がいないから
二人も寂しいのか
三人でワイワイする。

信一さんと飲んだり
弥生さんと話したり
俺にとっては、ありがたかった。

会社で合う薫は、
変わらないように見えるが·····

どことなく楽しそうだ。
うまくやっているのだろうと
思っていた。

すると、総帥より
先日の創立パーティーに
薫は、彩葉さんを伴って出席をした。

主催者の会社の社長さんからも
ご丁寧なお礼を言われて
彩葉さんの事を誉められた。

その上、二人の仲睦まじい姿を見せて
もらったと総帥自身も喜んでいた。

「次は、社長さんですね。」
と、言われて
笑ってごまかした。

俺は、どうしたいのだろう
薫を守り、会社を大きくして
と、頑張ってきた。
だが、薫も結婚して落ち着いたし
会社も落ち着いてきた。

俺にも
良い人と出会いがあるのだろうか·····
天音を大事に思っているが
天音自身に俺への気持ちはないから
と、一人考えていた。
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