誰を?何を?見ているの?

☆☆兄から


何度LINEしても返信がなかった。

すると····
お義父さんの病院に行ったらしく

実家に泊まるように言われた
らしい。

帰りたくなったら連絡をして
と、送るが·····

好きなようにして·····と。
やっぱり····わかってるんだ。

好きなように···か····
彩葉は、それでいいのかな?
俺の事なんてなんとも
思っていないのかな?

天音から
《 会いたい 》
と、LINEがきたから
電話をして
「妻が体調崩しているから行けない。」
と、言うと
「······妻?·····
と、泣く天音。
「····やはり····私より····
奥さんが····好き····なんだ····ね。
薫ちゃんの嘘つき·····」
と、電話を切られた。

何度、鳴らしても
出ない天音が心配になり

兄貴の家に行く。
兄貴の家から
《 兄貴の家にいる 》
と、LINEすると
少ししてから天音が来て
俺に抱きついてきた。

何をやっているんだろうか
俺は·····

彩葉のぐわいが···悪いのに·····

そこへ、兄貴が戻ってきて
「二人とも中に入りなさい。」
と、言われた。

それから、
「人の目があるんだ。
もっと、気をつけろ。
薫は、まだ妻帯者なんだぞ。
あちらに知られたら大変な事になる。
一度、経験しただろ。」
と、兄貴に言われて。
「わかってる。」
「わかってないから
こんな時間に彩葉さんを置いて
出てきてるんだろ。
しっかりしろ。
天音といたいなら
すぐにでも離婚しろ。
土下座でもなんでもして
承諾してもらえ。
中途半端なことをするな
だが、職はなくなる覚悟はしとけ。」
と、あきれたと怒りを含んだ態度で
兄は脱衣場へ行った。

兄貴の言う通りだ。

「何よ、哲ちゃん。
あんなに怒らなくても。
私達、愛し合ってるのに。」
と、言う天音。

会社の事やグループ会社を率いる
総帥の事など、何もわかって
いない天音·····

大事になる前に
なんとか·····と思うが·····

どう動きたいのか
自分が·····本当に····
わからな·····かった······
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