誰を?何を?見ているの?

☆☆終わった


仕事が終わりマンションに
戻ろうとしていたら
兄貴に
「天音が、毎夜、出歩いているみたいで
弥生さんが心配して連絡してきた。
止めてもらえないか?と。」
「しばらく、会わないし
連絡もしないように伝えたんだ。
彩葉を優先したいから。」
「そうか。
   俺が探すわ。」
と、言う兄に
「いや、行くよ。すまん。」
と、言って探していると
一人で歩いている天音を見つけた。

話していると
前に····彩葉?と誰?
男でも目を見張る男性と一緒だった。

天音が彩葉に言った言葉に
身の毛がよだつ
止めた時には遅く

その後、彩葉に返された言葉に
打ちひしがれる······

「最後に、明日手続きをします。」
と、言われて
自分は、あの時と同じではない
と、言ったが
彩葉の耳には届かなかった。

彩葉は、彼を凪と
呼んだ事で、彩葉の幼馴染みだと
わかった。
それに、右田さんの恋人だと。

彼に
「叩き潰されろ。」
と、言われたが·····

俺は、意味がわからなかった。

ただ、ただ····
彩葉と終わりなんだと····
言うことだけが胸を渦巻いていた。

天音が、横で何か騒いでいたが
もう、どうでも良かった。

どのくらい、そうしていたのだろう
天音が、俺を気持ち悪く思ったのか
兄貴に連絡して
俺は兄貴に連れて帰られた。

兄貴は、天音に自宅に送り
「もう、こんなことは止めるんだ。」
と、叱ったらしい。

戻ってきて、俺の状態で
大まかにはわかったのだろう。



翌日、総帥に二人とも呼ばれた。

彩葉が、
俺との結婚に何も見いだせない。
やはり、一人で気ままに
医者として、生きて行きたい。
遥以上の人はいない。
と、詫びてきた。

と······総帥より·····。

俺は、兄貴の顔を一度見て
兄貴が頷いたから
全てを総帥に話した。

総帥は、怒鳴りつけるわけでもなく
悲しむわけでもなく
淡々とした態度で
話を終えた俺達兄弟を帰した。
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