誰を?何を?見ているの?

☆☆願い(凪side)


院長から
《彩葉が来た。》
やっと·····か····?

まあ、竹田のMRが言ってた人物が
まさか、あの男だとは
思っていなかった。

だが、手助けをしたのは
間違いない

彩葉が、奴をどうするか
知らないが·······

とも子にも連絡を入れる
皆で隠していたわけではない
彼が自分自身で動きますと
言ったからだ。

《えっ、やっと?》と。
クスッ······とも子からのLINE。

今、とも子は、妊娠中で
不定期での勤務となっている。

俺としては、身体を気にして
辞めて欲しいが·····

優しくて、正義感が強くて
懐が大きくて、仕事が大好きで·····
俺みたいな、口下手で
優しくない人間を
丸ごと愛して大切にしてくれる
俺の大事な大切な····とも子

自分の方が人気あるのに
俺の回りにいる女にやきもちを
妬いたり·····
俺がとも子以外に
眼を向ける事はないのに。

最初は、彩葉と俺が恋人同士だと
思っていたらしいが·····

まあ、彩葉とは、
保育園からずっと一緒だから
仲は良い

遥·····も····一緒·····だった····が····

はる····か·····
今度こそ、彩葉の幸せを
頼むぞ。

今、俺達は、
俺の実家の近くのマンションで
暮らしている。

とも子が、そうしたいと言うから。

« ピンポーン »
「凪、お帰り」
「ただいま。身体大丈夫か?」
「クスクスっ。うん、大丈夫。
ありがとう」
と、言う、とも子の頭を撫でて
手洗いに行く。

その間に料理を温めてくれている
とも子を後ろから
そっと抱き締める。

そんな俺に体を任せて
「今度こそ、彩葉に幸せに
なって欲しい。」
「ああ。」
彩葉の心配をしながら
料理を温める
とも子のお腹にそっと手を当てる。
もう7ヶ月
胎動を感じる。

お腹のチビスケに挨拶をして
とも子の頬にキスをして
料理を並べ一緒に食べる。

俺が一番
心休まるひとときだ。

後で、彩葉に叱られるかな
と、嬉しそうに話す
とも子は····優しい顔を····している
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