彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目




みくるを、幸せにしたい!!


その想いは、今でも心の底で

熱い炎となって、燃え続けている。



それなのに


どうしても、
怒りのドロドロが収まらない。



みくるを幸せにしたい気持ちより

総長と一晩過ごした
裏切り行為への憎しみが、勝ってしまう。





俺よりも総長が好きという現実が苦しすぎて、
心に余裕ゼロの俺は


「部屋中のイチゴの雑貨も、
 責任もって、みくるが持っていけよな!」


みくるを恨むことで

好きな女を心の中から排除しようと、
狂い責めしてしまう。




みくるは手の甲で涙を拭くと、
細々とした声を震わせた。



「氷牙さんは……
 父から……聞いていないんですか?」


「何を?」



「私は……

 イチゴが大嫌いだって!」




……

……


は?





イチゴが……

大嫌い……?




待って。

そんなはずない。



俺が電車の中で、初めてみくるを見た時。

『イチゴが大好き』って微笑んでいるのを、
この目で、見たんだから!


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