彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目


「奥之山さんは、栗蒸ようかんが
 お好きでしたよね?」


「懇親会で俺のボヤキ。
 覚えていてくれたのかね?」



「僕は、自分が好意を抱く相手の声なら
 一言一句、聞き漏らしませんから」


「嬉しいことを、言ってくれるねぇ」



「では、これが賄賂ということで。
 みくるさんをさらっていく許可を、
 いただけませんか?」




アハハと、高笑いした課長は。


「参った。参った。昴君の頼みなら、
 断れるわけがないじゃないか」


にんまり笑顔で、
ようかん入りの紙袋を受け取っている。





ん?

栗蒸ようかんと引き換えに、
私をさらうって言った??


< 235 / 343 >

この作品をシェア

pagetop