彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
「奥之山さんは、栗蒸ようかんが
お好きでしたよね?」
「懇親会で俺のボヤキ。
覚えていてくれたのかね?」
「僕は、自分が好意を抱く相手の声なら
一言一句、聞き漏らしませんから」
「嬉しいことを、言ってくれるねぇ」
「では、これが賄賂ということで。
みくるさんをさらっていく許可を、
いただけませんか?」
アハハと、高笑いした課長は。
「参った。参った。昴君の頼みなら、
断れるわけがないじゃないか」
にんまり笑顔で、
ようかん入りの紙袋を受け取っている。
ん?
栗蒸ようかんと引き換えに、
私をさらうって言った??