彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
「総長、鍵を返して!」
「姫のものですからね。
返して差し上げますよ」
「じゃあ……」
「ただし、
ゴミをお返ししてからです」
ん? ゴミ?
何のこと?
総長は
指にイチゴのストラップをひっかけ。
わざとオーバーに、鍵をユラユラ揺らし。
不気味な笑みを浮かべたまま
ゆっくりと、氷牙さんに近づいていく。
いやいや、何が起きてるの?
嫌な予感しかしないんだけど。
総長はイチゴのストラップを
鍵から引きちぎると
ヘルメットで素顔を隠したままの氷牙さんに
突き出した。