彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
「あなたが、いとこのお兄様ですか?」
総長、氷牙さんに話しかけないで!
「……、っまあ、そんな感じだけど……」
氷牙さんも、返事しなくていいから!
「このストラップ、趣味が悪すぎなので
外して差し上げました」
「何、オマエ?」
うわっ。
氷牙さんの声、ものすごーく低すぎ。
ヘルメットの下、
絶対に総長を睨んでるよ!
それに引きかえ総長は
イヤミ全開で、クスクス笑ってるし。
「みくるさんのことを
わかっていなさすぎだなって、
呆れ笑いが止まらないだけですよ」
「わかってないって、何のことだよ?」
「みくるさんは、僕たちのひめ……」
ん???
……
……
わぁぁぁぁぁ!
ダメェェェエ!
私の素性、勝手にばらさないで!
氷牙さんとの結婚が白紙になったら
私は借金取りに連れ去られ
海の底に
沈められるかもしれないんだから!