モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。

「水牧くんの、おかげだよ。最初は怖かったけど、でも、水牧くんがそばにいてくれたからっ、私……その……ありがとうっ」

「ほんと良かった」

そう言って、彼の抱きしめる力がまた強くなる。

そのたんびに、この速い鼓動の音がバレちゃうんじゃないか心配だけど。

外の音できっと聞こえていないと信じたい。

「……私、ちゃんとできてたかな……変じゃなかったかな」

抱きしめられたままそう聞けば、優しく身体が離されて。

吸い込まれそうなその瞳と視線が絡む。

「上出来。キスも完璧だった。本当は口がよかったけど」

「っ、」

彼のその発言に、カァッと顔が熱くなる。

なんで今それを言うかな!!

ていうかなんであんなところであんなこと言ったかな!!

「……もう!ああいう勝手なこと本当にやめてよねっ!あんな大勢の前でっ」

さっきまでの記憶がふたたび蘇って、頭が蒸発してしまいそうになる。

なんてことをしてしまったんだ……。
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