モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
「ああでもしないと余計なこと考えて集中してくれないと思ったから」
「っ、だからって……」
「実際、俺で頭の中いっぱいになったでしょ?」
「っ……」
図星すぎて思わず目をそらしたら、顎に彼の長い指が添えられて。
強引に目を合わされた。
「答えて」
「……っ、……ちょ、ちょっと、だけ」
「ふはっ…………あー無理やりにでも笑ってないと、やべーわ」
「……え?」
水牧くんの情緒がおかしい。
笑ったと思ったら真顔になって。
「今ここで美乃里ちゃんのこと食べちゃいそうってこと」
っ?!
「っ、い、意味わかんないから!!」
そう言って慌てて彼から距離を取れば、さらにフハッと笑われて。
何考えてるのか全然わかんない。
やっぱりこの人は危険だ、とさらに一歩下がろうとしたら、
長い手が伸びてきて、私の両頬を包み込んだ。
「……ドレス、すっげぇ似合ってる。あそこにいた人間が全員これ見たのかと思うと無理」
「っ、」
「かわいいよ。美乃里ちゃんが圧倒的優勝だから」
水牧くんはそういうと私の頭をポンポンと優しく撫でてから、
反対の袖へと戻っていった。