モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。



「「美乃里〜!!」」

アズコンの授賞式が終わり、裏の方から会場を出ると、

萌ちゃんとさゆちゃんが一目散にこちらに走ってきて私に飛びついてきた。

「ふたりとも……」

「んもうめちゃくちゃ良かったよ美乃里!」

「まっじで完全にお姫さますぎてぶっちぎりで可愛かった!!最高だったよ!!」

ふたりが涙目で強く言ってくれるので私もなんだか泣きそうになってしまう。

「それからっ」

さゆちゃんが溜めて、ふたりがいっせいに声を出す。

「「優勝おめでとうっっ!!」」

そう、私と水牧くんは、アズコンで優勝を取ることができたのだ。

まだ少し信じられないけど。

「……フフッ、ありがとうっ」

ふたりには昨日、水牧くんへの気持ちを話しているから、

こうして話すのがまだ少し恥ずかしい。

「ほんっとに素敵なステージだったよ。特に美乃里が水牧くんにチューするシーンなんてっ」

「あの美乃里が、自分からあんな大胆なことしたんだもん。自覚した途端の恋、すんごいよね」

「ちょ、あれは水牧くんに言われたからでっ───」

「おねーちゃーーんっっ!!」

萌ちゃんたちがすんごい勘違いをしていたので(実際、頬にキスは私からしたものだけど)慌てて訂正しようとしたら、

大好きな声が、その場に響いた。
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