モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
「風邪の症状は無さそうだから、多分ストレス性のやつだろうけど。帰ってすぐ休んだ方がいいかもね。それとちゃんと栄養のあるもの食べること」
「はい……すみません」
「あと……」
先生の声がさっきよりも低くなった気がした。
「学校では、やめてね」
「えっ、」
なにを、と思っていたら、先生の後ろに見える美乃里ちゃんの顔が真っ赤になっていた。
よかった……そんな顔するってことは、俺が美乃里ちゃんと交わした言葉も、触れ合ったのも全部、夢じゃない。
「聞いてるの?水牧くん。コソコソ教室で男女ふたりきりなんて。月本さんも」
「っ、す、すみませんっ」
「うわーなに、ふたりえっちなことしてたの?」
「なっ、」
と湯前先輩の言葉にさらに顔を赤くさせる美乃里ちゃんにこっちまで心拍数が上がる。
そんなあからさまな反応したらやってましたって言ってるようなもんじゃん。
「湯前くんっ!そういう品のない話し方はやめなさいっ!水牧くんもさっきより落ち着いたみたいだし。ほら、親御さんに連絡してさっさと帰ってちょうだい!」
先生はそう言いながら、俺にスポーツドリンクと冷却シートをくれてから、俺たち全員を保健室から追い出した。