モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。
「あの、ほんとに俺、帰りますんで。すみません、気を遣わせてしまって」
「え、なんで。すぐ作るから、そこ座ってて」
「え、はっ、ちょ、パパ?!」
「果歩くん、夕飯まだなんだよ。美乃里、お茶出してね。あ、その前に手、洗面所、案内して」
「あの、剛さん、俺まじで大丈夫なんで、営業時間外に───」
正直、めちゃくちゃ腹は空いてるけど。
バイト後だし。
けど、ただの常連が、流石にここまでお世話になるのはおかしすぎる。
いちばんは、あの月本美乃里の家だということが衝撃すぎてちょっと頭追いつかないし。
美乃里ちゃんのいる空間で剛さんの飯を食うとか、まじどんな状況よ。
無理無理。
頭の中ではそう思いながらも、腹は悲鳴をあげているのも事実で。
ザ・食べ盛りかよ。
キッチンに立ちだした剛さんに必死に声をかけていると、腕をツンと小突かれた。
「ああなったらパパ、聞かないから」
「……美乃里、ちゃん」
「来て」
「っ……あぁ、」
んだこれ、すげぇ調子狂うじゃん。