独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
私たちは政略結婚だから、結婚がなくなれば当然業務提携の話も立ち消えになる。

わかってはいたけれど、いざ現実を突きつけられると即座にはうなずけなかった。

私が知らなかったということは、伯父も我が家の借金を把握していないのだろう。

ぬか喜びさせてしまっただけじゃなく、伯父に迷惑をかけてしまいそうで申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

『君が伯父上の会社を思う気持ちはよくわかっているつもりだ』

「え?」

『伯父上が会社を設立するとき、お父上の人脈をつないだのは君だろう?』

私は目を瞬かせた。たしかにその通りだった。
この十年、私は未熟ながらも父が築いた人脈を必死に守ってきたのだ。

そしてとうとう伯父が新しく会社を設立し、その人脈を引き継ぐと、私は経営を軌道に乗せるためになんだってするつもりだったのだ。

まさかそれを透哉さんに知られていたなんて。

「……はい。私は父が生きた証を残したかったのです」

< 25 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop