独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
しかし翌日、こちらから透哉さんに電話をする前に、彼から私のスマートフォンに着信があった。

『結納の日取りを決めたいが、いつがいいか』

そう尋ねられ、私は慌てた。結納などありえない。

「待ってください。私は透哉さんに相応しくありません。本当に申し訳ございませんが、このたびの結婚のお話はお断りさせていただきます」

政略結婚でも、相手が透哉さんなら幸せになれるかもしれないと束の間夢を見た。きっと私にとって彼以上の相手はこの先現れない。わかっていても断るほかなかった。

「破談になっても、一億円は必ずお返しいたします。今すぐは難しいですが、少しずつでも……」

彼のお母さまはこちらから破談にすれば返済は不要だと言ったが、そういうわけにはいかなかった。これはまた別の問題だ。

『結婚とビジネスは切り離せない。君の伯父上の会社との業務提携がなくなってもいいのか?』

透哉さんに問われ、私は口ごもった。

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