独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
身の引き締まる思いがしながら、私は手もとに婚姻届を引き寄せ、『妻になる人』の欄にサインをした。

すべての記入を終えると、透哉さんの運転で区役所に向かう。

日曜日だったから、時間外の受付窓口で婚姻届を受理してもらった。

「どこかで昼食にしようか」

透哉さんに誘われ、近くのイタリアンレストランに入った。

パスタランチを食べ終えると、彼は私の左手薬指を見つめる。

「このあとは結婚指輪を見に行こう。その婚約指輪は普段使いしにくいだろうし、俺たちはもう夫婦だからな」

透哉さんに夫婦と言われた途端、ぶわっと実感が湧いてきた。

婚姻届の提出はあまりにも呆気なかったけれど、私はもう彼の妻で、彼はもう私の夫なのだ。

レストランを出て、超高級ジュエリーブティックに向かった。

ブティックの奥から責任者らしき男性が、慌てた様子で私たちのもとに駆け寄ってくる。

「真崎さま、わざわざお運びいただきありがとうございます。お電話をいただけましたら、こちらから向かわせていただきましたのに」

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