独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
私は本当に買ってもらってもいいのかとおろおろしたけれど、透哉さんは満足そうだった。

「透哉さん、素敵なお店に連れってくださりありがとうございました。結婚指輪だけじゃなく、こちらまで……」

ブティックを出ると、私はファッションリングが入った紙袋を見つめた。

「琴子はきれいな指をしているから選び甲斐があったよ。結婚指輪ができあがるのも楽しみだな。せっかくだからほかにも買い物をしていこうか。なにかほしいものはある? レストランに夕食の予約も入れておこうか」

「あ、あの、よければ夜は私に作らせてください」

上機嫌の透哉さんに、私は慌てて願い出た。

すると彼はさらにうれしそうな表情になる。

「早速妻の手料理が食べられるなんて、俺は幸せ者だな」

食べ物の好き嫌いを尋ねると、「好きなものはシーフードで、嫌いなものはピーマンとニンジンだ」と彼は答えた。

どこからどう見ても完璧に見えるのに、嫌いな食べ物が子どもみたいだ。なんだかかわいらしかった。

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