独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
逸る気持ちを抑え込み、透哉さんの言いつけを守って十分後にキッチンに向かう。

すると紅茶の準備をしてくれていた彼が私を振り返る。

「透哉さん、それは私が……」

慌てて彼に駆け寄った。

「俺も紅茶くらいは淹れられるよ」

透哉さんは白い歯をこぼし、私にティーカップを差し出す。彼にそんなことをさせるなんてありえなかった。

喉を通らない……と縮こまりながら、パジャマ姿で彼と目覚ましの紅茶を飲む。

私が淹れるよりもおいしくて驚いた。

彼の紅茶のおかげで私は心身共にしっかりと起きられ、いつもより手際よく動ける。

「透哉さん、ありがとうございます」

玄関で彼を送り出しながら、晴れやかな笑顔を向けた。

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