独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
すると玲於奈さんは「そうだったんですね。ありがとう透哉。続きは私がするから前のソファで待っててくれる?」とおとなの対応をしてくれる。

「ああ、急がないから、琴子が満足するまでゆっくり着せてやってくれ」

透哉さんはそう言い残し、フィッティングルームの前にあるソファへ足を向けた。

「おふたりは政略結婚だと聞いていますが、そうとは思えないくらい仲がいいんですね」

玲於奈さんは私にドレスを着せながら微笑んだ。

仲がいいと思われるのは喜ばしいけれど、彼女は間違いなくさっきの光景を見たからそう言っているのであって、返答に窮してしまう。

「私たちは元々顔見知りだったので……」

「そうなんですか? まあ透哉って意外とスキンシップが多いし、誰にでも優しいから、罪作りだなーって思うんですけどね。透哉に好かれてるって勘違いしちゃった女の子、どれだけ見たことか」

玲於奈さんは笑い飛ばす。彼女にそんなつもりはないとわかっていても、遠回しに現実を突きつけられた気がした。

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