俺、あなたのリアコです!3
琴葉ちゃんのどこか嬉しそうな横顔に見惚れていたら、音楽が鳴り始めた。最初に歌うのは俺だ。慌てて前を向いてマイクを口に近付ける。


君の声一つでこんなにも変われるって
やっぱり君なんだ 君じゃなきゃダメなんだ


歌いながら思う。この歌詞の通りだなって。琴葉ちゃんの歌声で元気になれて、琴葉ちゃんの笑顔で頑張れる。前を向いていけるんだ。だからーーー。


ずっと変わらないよ 誰かを好きでいても
やっぱり好きなんだ 大好きだこれからも


歌に乗せてこの気持ちを伝えよう。この部分を歌っている時だけ、琴葉ちゃんをまっすぐ見つめる。目が合った時、琴葉ちゃんの頰が赤く染まっていたような気がした。

ドキドキしながらも、歌は終わってしまう。俺たちが歌い終わると、「よかったよ〜!」と英玲奈ちゃんたちは拍手を送ってくれた。

「何か、本当の恋人みたいだった!」

「案外二人ってお似合いだと思うけど」

春燕とマーガレットにそう言われ、俺は「本当に!?」と声が大きくなる。歌い手仲間にそう言われると嬉しい。
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