Eye Love
「神代君…そういえばさっきは、ありがとう」

「え…?」

俺は空から目を離し、榎本さんの方を見る。
いつの間にか、榎本さんも俺を見ていた。

「私ね、瞳が綺麗だなんて初めて言われたんだよ?凄く、嬉しかった」

正面から見つめられるとやっぱり恥ずかしい。
今が、暗くて良かった。
俺の顔が赤いのを隠してくれるから…。

すると、榎本さんは急に立ち上がって言った。

 
 
 
 
 
 
 
 
 「あの星と、私の瞳。
どっちが綺麗かな?」

指差した先には、他の星とは比べられないほど輝いてる蒼い星。

まるで、君の瞳みたいだった。

君は笑いながら言ったけど、俺には簡単に答えることが出来なかった。

君は今にも、
俺の前から消えてしまいそうだったから…。

出来ることなら、
抱きしめたい。

君が…いや、美咲が、
この世界から消えないように、逃げないように…

ギュッと抱きしめたい。

俺は、心の中で初めて、
君を名前で呼んだ。
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