Eye Love
第2章 既視感
ジリリリリ!

目覚まし時計が、俺の部屋にけたたましく鳴り響く。

…そんなに音出さなくても起きてるっての!!

俺が左手で思いきり目覚ましを叩くと、部屋にはまた静寂が広がった。

昨日、カッコつけて榎本さんを送ったものの、やはり菅代と星見ヶ丘は遠かった。

星を見たせいもあり、家に帰った時には、すでに二十三時を回っていた。

起きなければいけないと頭では分かってるのだが、体が動いてくれない。

完璧に寝不足だった。
しかし、俺に安眠は訪れなかった。

「いつまで寝てるの?」

陽菜がノックもしないで俺の部屋に入ってくる。

「時間だよ?早く起きなよ!」

「うーん…後少し…」

俺は陽菜の好意を完全に無駄にして、ベッドにしがみついていた。

陽菜は、しばらく俺を蹴ったり揺すったりしていたものの、諦めたのか俺の部屋から出ていった。

少し悪い気がするが、これで安眠は約束された。
俺は掃除よりも睡眠をとったのだ。
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