Eye Love
「じゃあ話も済んだみたいだし……私はおいとましようかな?」

渚は何を言ってるんだ?

「だってここ保健室でしょ?裕也ん、美咲とその……あぁもう!私の口から言わせないでよ…」

「な…!」

この女…!いきなり何を言い出すんだ!

「な…渚!神代君が倒れてたから私が運んで来ただけで…」

「あー。欲求不満なのは美咲の方ってわけね」

渚の言葉に、榎本さんの顔は途端に赤くなる。

「じゃあねお二人さん!美咲は初めてだから優しくしてあげなよ?経験者の裕也んがリードしてあげるんだよ!!」

「な…渚ぁ!!」

榎本さんはもう爆発しそうな程、顔を真っ赤にして否定するが…。今確かに、渚は言った。

『経験者の裕也ん…』

何であいつが、そんなことまで知ってるんだ?一体、渚と莢未の繋がりは何なんだ?

「あ、あのね!私はそんな気持ちで神代君を保健室に運んだわけじゃなくて……」

必死に弁明してる榎本さんの姿も目に入ってこなかった。今、俺の心の中を支配するのは、榎本さんではなく莢未だった。
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