Eye Love
第3章 負い目
「おはよー渚」

「おはよう裕也ん」

あのペンダントを見つけてから早二週間が過ぎていた。あれ以来、渚の前で莢未の話はしていない。疑いすぎかもしれないが渚は莢未を『知りすぎている』。

それに…莢未の話はあまり触れてほしい話ではない。昔の何も出来なかった自分を…ふがいなく思ってるからだ。

「……聞いてる?裕也ん」

「え…何?」

そんな俺の態度に、やれやれとばかりに渚はため息をついた。

「また、莢未のこと?裕也ん、あれ以来、莢未のこと考えすぎだよ。だから美咲がすねてるんだよ?」

「すねてるって…」

「現にそうでしょ?じゃあ聞くけど…最後に美咲と話したのいつよ?」

「それは…」

俺は答えようとしたけど、言葉に詰まってしまった。そう、ちょうど二週間前から話していない。話すだけではなく、最近は目すら合ってない気がする。席は、隣通しで近いのに、心の距離は遠い気がした。
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