Eye Love
「…複雑だな」

全てを聞き終えた後に、大地が漏らした言葉だった。一言だが、今俺を取り巻いていることを考えれば、実に的をえている感想だろう。

一体いつからだろうか。
色んなことが起こり始めたのは…。

俺は記憶の一本一本を丁寧に手繰り寄せていく。一日前、一週間前、まだだ…。二週間前…。

「星のペンダント…」

そうだ。星のペンダントを拾ってからだ。俺の中に莢未が戻って来たのも…。その日からだった。

「ん、星のペンダント?」

さっきからナゲットをぱくぱく食べていた耕平が食いついて来た。

「何か知ってんのかよ?」

「いや…確か星のペンダントなら沙梨奈ちゃんも付けていたような…」

「…え!?」

沙梨奈が…?これは耕平に問い詰める必要がありそうだ。

「詳しく聞かせてくれ」

「詳しくったって…どこにでもありそうな星のペンダントだったからなぁ。別に珍しいことでもないだろ?」

珍しいことでもない…。
本当にそうだろうか?

あのペンダントから伝わって来たのは…間違いなく莢未の“想い”だった。仮にペンダントの持ち主が沙梨奈だとしたら、莢未と何の関係があるんだ?もどかしくてたまらない。何か…何かが頭に引っ掛かっている。

俺は頭を分解して、中の記憶を一つ一つ取り出したい気持ちだった。
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