Eye Love
第4章 星空の下
「裕也んの馬鹿!」

渚は、美咲が帰った理由を聞いた途端、俺を容赦なく叩いた。

「何で追い掛けないのよ!美咲のこと、好きなんでしょ!?莢未に遠慮してるの!?」

「うるさい…!渚には関係ないだろ!」

もう全部、めんどくさかった。高校に入ってから二週間とちょっとの間に、色んなことが起こりすぎた。

何で今になって…。
こんなことになるんだ…

「裕也ん…莢未は、莢未はね…ホントは…」

「渚!!」

渚の声を遮ったのは、普段、声を荒げたりすることのない沙梨奈だった。

「裕也君だって、苦しんでるんだよ」

「さ…沙梨奈がそう言うなら…。裕也ん、ごめん」

渚の謝罪によって、とりあえずこの場は落ち着いたが、その日はとても練習という気分じゃなかった。皆も同じだったんだろう。沙梨奈と渚は帰り、俺はさっきの話の中でかやの外だった二人に、事情を説明するためにファーストフード店に行った。

俺は話すのも辛かったが、隠しているのも辛かったので、二人に全部話した。大地は真剣に、耕平はハンバーガーを頬張りながら聞いていた。
どんな形であれ、聞いてくれるのはありがたかった。
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