Eye Love
外に出ると、ひんやりした空気が俺を包んだ。流石に四月でも夜は冷え込む。その時、ドアが開いて中からお母さんが出て来た。

「裕也君、ごめんなさいね?あの子、ああなっちゃうと手が付けられないのよ」

「参考になりました」

俺は苦笑する。美咲を怒らせると、命が危ないということを知った。

「またいつでも遊びに来てね?私達、ずっと美咲の彼氏と会うのが楽しみだったのよ」

「俺なんかで、すみません……」

「あら、私は美咲の彼氏にはあなたがお似合いだと思うわよ?」

そしてお母さんは俺にペコリと頭を下げた。

「美咲のこと、お願いします」

「こちらこそ、お願いします」

俺は軽く頭を下げた後、お母さんに別れを告げた。

「しっかし、この町は本当に星が多いな」

俺は帰る途中も、ずっと空を見ていた。

「ずっと、一緒」

自分で呟いて、俺はとあることに気付いた。

「母さん達に遅くなるっていってねぇや……」

これはご飯が用意されてないかもしれないな。こうしちゃいられない。俺は勢いよく走り出した。

空の星は、未だに自分の存在を誇張する為か、輝き続けていた。
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