Eye Love
「裕也、どうしたんだよ?てか、何で左と右でそんなに違うのかよ?」

急に黙り込んだ俺を不審に思ったのか、耕平が俺の前で、ひらひらと手を振る。

「耕平君、フリスビーにも左利き用と右利き用があるのよ」

「ははーん。なるほどね」

ダメだ。耕平のマイペースに巻き込まれたらおしまいだ。

待てよ。耕平。確かあの時、ペンダントがどうとかいってたけど……。

違う。大事なのはペンダント何かじゃない!!

そして、今日のアルティメットを思い返す。

そして全てが繋がった。

「……嘘だろ」

俺は膝から崩れ落ちる。
全身から力が抜ける感じがした。

まさか…。

「ちょっと、大丈夫!?」

渚が駆け寄ってくる。

「……渚、ちょっと話があるから練習終わったら残ってくれないか?」

「……いいよ」

渚はどこか悲しそうな顔で頷いた後、何事もなかったように皆の元へと戻っていった。

「…莢未」

今、分かった気がする。
君のこと、全部。
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