Eye Love
第6章 最後の浮気
アルティメットの練習が終わり、俺と渚、そして沙梨奈以外には帰てもらった。

美咲は何か納得行かないような顔をしていたが、後で理由を言うからと言って無理に帰らせた。

「それで…裕也ん。話って何かな?」

自分で口に出すのが怖かった。だけど、もう受け入れなければいけない。

俺の勇気が…、向かい合うことが、最後のピースだったんだ。

「なぁ…」




















「あの時、何で消えたんだよ?沙梨奈、いや莢未」

昼から吹き荒れる風がいまだに止まない。

「ゆ……裕也ん?何言ってるの……?」

「渚、もういい。俺、分かったんだ。なぁ、莢未なんだろ?」

すると、沙梨奈は渚と顔を見合わせた後、小さく頷いて俺に視線を合わせて来た。

「久しぶり、ゆーちゃん」

そこにいたのは、声や姿は違うものの、『ゆーちゃん』と言う口調はまぎれもなく莢未だった。それに、俺が、莢未の瞳を間違えるはずがない。

「いつから……かな?何で、沙梨奈=莢未って分かったの?隠してたつもりなんだけどな」

「こんなの落としておいて良く言うよ」

俺はポケットから星のペンダントを取り出し、莢未の手に握らせた。

「ないと思ったらゆーちゃんが持ってたんだね?」

「もう落とすなよ?」

「ま、わざと落としたんだけどね」

小さく莢未が舌を出す。その仕種は、紛れも無く莢未のもので、俺は少し身震いがした。
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