篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。
ゴールテープを切る直前で、俺が相手を追い抜いてそのままゴールする。
マジでギリギリだった。
周りの奴らは、俺のことをすごいすごいって言うけど、ほんとは2位でいいかって少し諦めてたんだ。
だから、勝てたのは倉科のおかげと言っても過言じゃない。
そんな倉科に告白の返事をもらって、
俺らは今日から付き合うことになる。
なんて言うか、ありふれた感想しか言えねーけどすげー幸せだ。
長い体育祭が終わり、グラウンドから人がいなくなった。
倉科……天音とふたりきりで、手をつなぎながらゆっくり校舎に向かって歩く。
「なぁ、天音。………ちゅーしてもいい?」
「うん。慧くん、あのね」
「ん?」