篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。



ゴールテープを切る直前で、俺が相手を追い抜いてそのままゴールする。

マジでギリギリだった。


周りの奴らは、俺のことをすごいすごいって言うけど、ほんとは2位でいいかって少し諦めてたんだ。

だから、勝てたのは倉科のおかげと言っても過言じゃない。


そんな倉科に告白の返事をもらって、
俺らは今日から付き合うことになる。


なんて言うか、ありふれた感想しか言えねーけどすげー幸せだ。



長い体育祭が終わり、グラウンドから人がいなくなった。

倉科……天音とふたりきりで、手をつなぎながらゆっくり校舎に向かって歩く。



「なぁ、天音。………ちゅーしてもいい?」


「うん。慧くん、あのね」


「ん?」


< 151 / 180 >

この作品をシェア

pagetop