篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。
女関係を除いたら普通にいい奴なんだけど、昔からこんな性格だからどうしようもないんだ。
「2人とも、遊ぶのも程々にしておきなよー?
いつか恨みを買って刺されたりしても知らないからね!」
俺らの近くでクスッと笑うちひろ。
余裕たっぷりに笑ってるけど、こいつも大概じゃないから。
「ちひろだって散々ねだって、ブランド物を貢ぐだけ貢がせてんだろ」
「ええ〜?善意で買ってくれるって言うんだから、別にいいでしょ?それに、この私と付き合えるんだからそれくらい安いものだと思って貰わないと」
限定品のコスメとバッグをプレゼントされたらしく、機嫌がいい。
髪をくるくる指に巻き付けて、ニコッと笑う姿は小悪魔女子っていうか、どう考えても悪魔。
今まで何人の男をATM代わりにしてきたのか。
同年代だと金持ってないからって、最近じゃ年上の社会人を捕まえてるらしい。
可愛い見た目にまんまと騙される奴が少し気の毒に思える。
「うっわ、性格悪っ!」
「瑞季達だけには言われたくないよ!お互いさま!」
俺ら3人のどす黒い本性を知ってるのは、限られた人のみ。
バラそうとするなら脅して口止めするから、いまだに他の生徒に悪評は知られないでいた。