この恋は狂暴です
《乃野side》

薫、私の事 ・ ・追いかけてきてくれたんだ。

「この~愛されちゃってるね~乃野~♪」 泉にちゃかされながら、ゆっくり校庭を歩く私たち。
 
「お――――――い!」 校門の方から桃の声。
大ちゃんの友達にお礼を言ってバイクから降りた桃は、私達の所へ走ってきた。
「はあはあ、姫、無事?」 桃は必ず、真っ先に私の心配をしてくれる。

「うん。大丈夫だよ」 そう答えると桃は安心したのか笑顔を見せた。

「ちょっと!桃!私がいるんだから乃野は無事に決まってんでしょっ!!」
泉が桃の頬をつねる。

「いててててっ、っつたく!あいかわらず凶暴だな泉!」 頬をさする桃。
「そーそー、彼氏の俺も居るしな♪」 薫がさらに桃を落とす。

くすっ。
なんか楽し・・い。


でも、みんなのこの笑顔の裏には・・
実はすごく大変な過去があるんだよね。

どんな事があったかはまだわからない 
・・でも
これからたぶん 
・・それは明らかになる。



泉に言われ彼らが空けてくれた部屋は、

「え?ここって校長室だよね?」 
明らかにVIP使用のソファに大理石張りの床!壁には歴代の校長の肖像画がっ?!

「あー気にせず使って~♪」 泉は校長席と見られる皮の椅子にドカッと座る。
「すげぇ豪華だな、ここの校長室!」 薫も部屋を見渡しながら言う。

「そーなのよ!無駄に豪華なのよ、ムカつく!だからたまに使ってやらないとね♪」
泉はニッコリと笑った。

あ―――― 泉。たしか中学の時もそうだったね。

中学の校長室もあたし達のたまり場にしちゃってたよね。

泉は、ほんっとっ、

最強、無敵だよっ(泣笑)



《薫side》

この豪華な校長室に入ったのは5人。
俺と、乃野と泉。 桃弥、 そして大紀くん。
たぶんこれから、泉はあの話をするだろう。


「・・さてと、乃野!聞きたいことがあるんでしょ?」
泉は切り出した。

乃野は 「うん」 とうなづく。


「はぁ―――――― 。出来れば思い出したくなかったんだけど? 美和がまた動きだしているんだったら、そうも言ってられないか。」
泉は髪をクシャッとさせて顔を歪めた。



《乃野side》

そして、泉は話始めた。



「一年前・・、乃野が美和を連れて、私んちへ遊びに来た時があったでしょ?
もともと美和ってさ、中学ではあまり目立ってなくて印象薄かったじゃん。なのに、高校に入ってからの美和って化粧とか髪いじったりして、少し派手に変わってた、いわゆる高校デビューってやつ?
たぶんなんか勘違いもしてると思う。(自分をカワイイんだって)(笑)
で、その日って、大紀もウチに来たじゃん。」

「あ、うん。おぼえてる・・」 私は記憶を辿っていた。

そう、たしか3人でジュースだのお菓子だのを持ち寄ってしゃべっていた。
そこへ

「お―――――――――――い!泉っ!!」
大ちゃんがいきなり部屋へ入って来た。

「わっ!!」 泉だけだと思ったのだろう、大ちゃんは私達を見て慌ててた。
くすっ。あの時の大ちゃんの顔っ!

「おじゃましてまーす、大ちゃん♪」 私が、そう言うと
「お、なんだ!乃野かよっ ま、ゆっくりしていけ!」 と、
ボコッ!
「私のウチなのに、なんで大紀がエラそーにしてんの!」 泉は間髪入れずに大ちゃんを殴った。
「いいじゃんよ。そのうち俺の家になるんだから♪」 大ちゃんのその言葉に、顔を真っ赤にした泉。

かわいい泉♪
本当にこの2人は仲がいい。うらやましい♪

「で、こっちの子は?誰?」 美和の方へ逃げて指をさす大ちゃん。

ん ??
あれ?美和、大ちゃんのコト、――ガン見してるっ??
しかも ・・・ 顔真っ赤っ!


「・・あの日、 美和は大紀が来るのわかってた。」

「えっ? なにソレ、」
?なんで?大ちゃんが来るなんて、美和に言ってないし?

「姫が泉と電話でしゃべっているの、盗み聞きでもしたんじゃね?」桃がボソッと言った。

ウソ ・・ あ、 
・・・でも、最初は泉んちへ行くの断ったっけ美和。 なのに後から(やっぱり行く~)って。

「完璧、だまされた!」

泉の顔がますます歪む。大ちゃんの顔も険しい。
ん?薫も?  桃まで・・

「美和、・・一体何したの?」 私の声は少し震えた。



あの日・・ん?
「そう言えば、大ちゃんが来てすぐに美和は用事があるって先に帰ったよね?」


「帰ったフリをしてたのよアイツ!」

え?

「美和は、そのうち私んちから大紀が出てくるのを待ってた。」

は? 「あ ・・ 」そうだ、あの時。大ちゃんこれから行く所があるから少ししか居られないって言ってたっけ。
大ちゃんがそう言った後、美和が急に帰るって言い出して・・。


「え・・じゃ、」

「そ。大紀、近くにバイク停めてあるから、そこで大紀の事、待ってたらしい。」

「で、でも、よく大ちゃんのバイクってわかったね? 美和。」

「――――っ!あいつ!ずっと前から大紀の事、好きだったらしいからっ!」

―――――――――― は ・ ぁ ・あ ?

「なんか中坊の頃からみたいだよ? 大紀さんよく、泉を向かえにバイクで来てたじゃん?」桃が泉の代わりに言う。


――――――――― た、確かに ・・ 大ちゃんは、その年頃の女の子が大好きな不良(しかも上級クラスの有名人)だもんね。
背も高いし、顔だってイケメンで
モテないわけがない―――。
でも、この泉が彼女だから(笑)誰も恐ろしくて近寄ってはこなかった。

なのに、美和ってば・・ある意味、すごい度胸だよね。


「俺が泉んちから出て、バイクの置いてある場所へ行ったら、彼女がうずくまっていたんだ。」頭をかきながら泉をチラッと見て、大ちゃんが話し始める。

「泉の友達だし、体調でも悪いのかと思って声かけたんだよ。」
あんな奴、友達なんて言わないで!って顔してる泉。
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