この恋は狂暴です

日和とあの男が出てきた場所、多分あそこへ行けば、 

俺は確信を持ってバイクを走らせていた。



まちがい ・・なさそうだな。
その場所には、ゴロゴロとガラの悪い連中が入れ替わり立ち代り目の前にあるビルへ入っていく

ビルの看板には(有)東商 と書かれている 
あきらかに組事務所。



日和がこんなところに居て幸せなわけがない  



カランビットを手にはめ、俺はビルの中へと足を踏み入れた。





ガッ!ゴガッ!!
「ぐわっ!!」 「だれだっ!テメーっ!!」

ぐっ !!


さすが、玄人 、なかなか楽には通してもらえねぇな。
ちっ!きりがねぇっ!くっそ、

俺は1人の構成員を掴めると、刃先を首にあて
「若頭ってヤツはドコにいんだ?!」 と脅す。 
が。その瞬間!!     ガッツ!!
――――――――――― っ! 、しまっ ・・たっ・・

後ろから来た男に頭を殴られて、腕を
「っあう―――っ!!」   ―――――っつ 、くそ、折りやがっ 、たっ 
膝をつかされた俺は、そのまま事務所奥へと連れていかれた



はぁ ・・はぁ  ちっ、少し血ィ流しすぎたかな
目がかすんできやがる ―――っ


「お前なに?俺になんか用?」
「!!」
目の前の机に座る男がそう聞いてきた。
ぼやけて ・・良く見えない ・・が、多分、こいつが若頭ってヤツ。

俺は半分しか開かない目を思いっきり見開いて、そいつを睨んだ。

「いい面がまえだね、ん?お前?・・あの時、俺を殴ったガキか?」 そいつは俺の事を思い出したらしく、そんなコトを言って俺の近くへと歩いてくる。
と同時に、
ガッツ!!   俺の腹にケリをいれたきた。
「げほっ!っつ」
俺は口から血を吐きながらもそいつを睨み続ける。

「ふん、ガキィ、お前、日和となんか関係あんのか?」
「―――っ、あ、 ああ。大有り。」
「!っなにっぃっ!!」
「俺は ・ ・」   「あ?」

「日和の彼氏だよっ!」 

その言葉を聞いた男の顔が一変して 
「ふっ、 ふはははははっ!」 と笑い出した。
後ろで俺の腕を押さえているヤツらも同じように笑っている
そして、

ガッツ!!
――――――――――――― っつうっ!!
そいつの靴が俺の頭を踏みつけた。
「このクソガキが――――っ!寝言いってんじゃねーぞっ!」 そう言って、何度も何度も俺の頭を踏み潰す。

ぐっ ―――――――――― っうっあっ!!



その時、
「もうやめてよっつ!!」 ドアを開け入ってきたのは 


「ひ ・・よ ・・ り 」

泣きそうな顔をした日和だった

「薫 ・・っ こんなに ・・なっ ・・てっ」

「日和っ!」 あの男が、日和の腕を掴んで引き寄せる。

「このガキとどーゆう関係なんだ?あ?日和~?」
日和の顔に男は自分の顔を近づけて聞いてきた。

「む、昔の知り合いよ ・・なんか、この子勘違いしちゃっててね」 そう日和は 言った。

「ふ。だとよ!マヌケだなお前!」 男達はせせら笑う。


「違う ・・だろ、ホントの気持ちを言えって、日和 ・・
俺が、 ・・っ、ゼッテー守ってやるからっ!」
ありったけの力を出して、俺は言った。
「!!」
「あ?なにまだ寝ぼけてんの?このクソガキがっ!どーやって守るんだ?そんなボロボロでよっ!」 俺の腕を掴んでいるヤツがそんな事を言った。

「・・こーやってだよ」
足で後ろの男の足をはらうと、そいつはバランスを崩し、 その瞬間に折れていない方の肘で殴り倒す。それを見た後ろにいたヤツが俺に飛び掛ろうとした――――――が そいつの頭に俺はカランビットを容赦なく振り下ろす!

血が飛び散りそいつは悲鳴をあげ倒れた。

俺の狙いは「お前らじゃねぇ」
向きなおすと、日和の側にいる男を睨みつけ近づいていった。

その時、
?  なにか光った?



な・・に?     え?・・日和?




グサッ
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・




血   ・・  だれの ・ ・ ・ 





「日和―――――――――――っ!!!」

男の声で我にかえる

「はっ?! 、ひ 日和?」
俺の胸の中に日和が倒れ込む 

抱きとめた俺の手が   ・・濡れた?

「え」    見ると俺の手が真っ赤に染まってて
日和の体が   ・・真っ赤になってて

男を見ると、そいつの手には真っ赤な液体が滴りながら ・・光る  ・・モノが 

「!!!っ!――――――――――っテんメ―――――っ!!!」
俺は完璧に我にかえった!
今、目の前で何が起きたのかがわかり日和を抱きかかえ男を睨んだ!

「・・薫  いいの、私・・」
「!!っ、日和っ!しゃべんなっ!日和っ!!」 俺は日和の体を抱きかかえようとして、腕に激痛が走った!
――――っ!ちっ!! 折れてんだったっ ―――・・く 

「俺が連れて行く・・」
「!!」
男が日和と俺の側に来て腕を伸ばしてきた。

「触んじゃねぇよっ!テメぇがやっといて!ふざけんなっ!!」 

「俺の大事な女だ。生きてもらわなきゃ困る」 その男は暗い瞳に涙を浮かばせていた 「!!」

「まさか  ・・こんなガキ庇うなんて  ・・な」 そう言って、日和の腕を肩に回す男に、日和は薄く目を開けて
「薫は  ・・私の大事な彼氏だったから」 と言った


俺から日和を離し、軽々と抱き上げた男は俺を見て、
「チャカして悪かったな。こいつがそんなにマジだとは思わなかったんだ」
「・・・」

「――――― でもあきらめてくれ」
「!!っ」
男はそれだけ言うと、部屋から出て行こうとした。


「こ、ここまできて、そんな簡単にあきらめられるかっ!!なめてんじゃねぇぞっ!」
「!!」  振り向き、手を伸ばした瞬間、足に力が入らなくてよろめいた。


ガシッ!!


「!!?」  俺は太い腕に支えられていた 
 顔を上げると それは和己さんだった 

「な、んで ・・ここに?」
その質問を和己さんは無視し、
「若、こいつ、引き取りにきたんすけどいいっすか?」 と、あの男に言う。


「好きにしろ。後から顔出し、忘れんな。」
そう男は言うと、日和を抱いたまま部屋から出て行ってしまった。

「――― っくっ!和己さんどいてくれっ!俺行かなきゃっ!」
俺は和己さんの腕をどけようとした。


「もうやめとけ、
・・あの2人は、離れねぇよ」



――――――――――――― っつ!!!
っうっ!! ――――― 

それは俺にもわかった・・く ―――――っ!! わかってるよっ!!
さっきのあの男の目を見たら!  ・・日和のあいつを見る目を見たら
 ―――っつ!!



う   ・・日和が   もう 俺から離れていってしまう 


日和に手が届かねぇ・・



意識が遠のき、俺はそのまま和己さんに抱きかかえられた。



「バカやろーが」
和己さんのそんな声が   聞こえた。
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