私に恋を教えてください
『アイツ、透悟のこと好きらしいよ』

ガビーン‼︎である。
そんな愛情表現は、透悟は聞いたことがない。

『透悟くん可愛いわ、大好きよ。』と言われて育ってきたが、その中の誰にもあっちに行けと言われた覚えはない。

『お前、ずっとそんな風にねーちゃんにヨシヨシされてていいの?ねーちゃんだって女の子なんだぜ?』
その言葉に透悟は、ハッとしたのだ。

そうだ!ゆーちゃんだって女の子なのに、確かにいつまでも守ってもらうなんてカッコ悪いことはできない‼︎

ちなみにその時透悟に声を掛けた男の子は、今や180センチを超える立派な体格に成長し、未だに透悟とも仲の良い幼馴染みとなったのだが。

三つ子の魂百まで。
刷り込みは怖い。

そうこうしているある日に、柚葉の髪のリボンを引っ張って泣かせている年長さんを見つけた。

それは柚葉がとても大事にしていて、今日もお母様にお願いして結んでもらっていたものだ。
ツーテイルにしていた柚葉に、とても似合っていたのに。

「……返して」
小さな声でお願いしている柚葉に、そいつは「やだ!」とはねつけた。
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