私に恋を教えてください
柚葉がふわりと頬を染めて俯く。
深い意味があるわけじゃないと、分かっているんですが。
こんな人が彼氏かと思うと、ちょっぴり幸せな気持ちになってしまって。

「いい雰囲気作るのはやめてもらっていいかなぁ?俺、なんか2人の幸せ祈れなくなっちゃうからさあ」
「別にいい雰囲気なんか作っていません」

「はは……。気付いてねーのかよ。あ、俺最上階のバーに飲みに行くんだけど、2人とも良かったら行かない?」
「俺は明日の準備の確認があるのでやめておきます」

「私も自宅に連絡してきます」
柚葉は急に泊まりになんてなったら、家族に心配されてしまう。

「気が向いたらおいで」
須藤と柚葉ににっこり笑って、侑也はエレベーターに向かっていった。

その場に残された2人は、思わず顔を見合わせてしまう。
「ああいうところが、マイペースだって言うんですけどね」
「常務らしいですね」

ふう、と軽く須藤が息をついたような音がして、柚葉はその顔を見上げる。
須藤はふわっと柚葉に笑いかけた。

「気づかなくて、本当に悪かったね」
「私も自分で準備していたのに、気づかなかったことが不思議です」
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