私に恋を教えてください
「後で常務とアポを取りたいと言っていた人の名刺を渡しておく。君からご連絡して時間を取ってもらってもいいかな」
そう言って、柚葉に整理しておいた名刺や資料を渡す。

「こっちは、もしかしたらブースに今もいるかもしれない分。こちらは連絡は後ほどでいい分。副社長が大分対応して下さったけど、それでも侑也さんと話したいという方もみえるから」
須藤はいつもと変わらない口ぶりだ。

「はい」
業務連絡の間も、彼女の視線は須藤から離れない。
柚葉にはそれが気になって仕方なかった。

とても、とても大人っぽくて……綺麗な人だわ……。
誰なんだろう?

「須藤さん」
「谷口さん、久しぶりですね」
彼女は須藤に話しかける。

柚葉が身を引こうとしたのを見て、須藤はその背中に手を当てた。
柚葉は逃げることが出来なくて足を止めるしかない。

「谷口さん、紹介する。今常務の秘書をしている榊原さん」
「え?専任?」

「そう。侑也さんがとても気に入っていて」
「あら、珍しいわ」
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